フォト・エッセイ(6) ウォーク・ラリー


 5月31日、カトリック住吉教会、六甲教会、神戸中央教会合同のウォーク・ラリーが行われ、3つの教会から合計100人ほどの子どもたちが参加した。子どもたちはまず、住吉教会から六甲教会まで5キロほどの道のりを歩いた。六甲教会で昼食をとったあと、バスで布引まで移動し、そこから北野を通って神戸中央教会まで歩いた。あわせて6キロくらいは歩いたのではないかと思う。かなり長い距離だったので、小学校低学年の子どもたちに歩けるだろうかと心配していたのだが、結果としては全員無事に神戸中央教会に到着することができた。そればかりか、到着後、疲れて休んでいる年配のリーダーたち(私を含む)を尻目に、子どもたちは神戸中央教会のグラウンド狭しと走り回って遊んでいた。
 そんな楽しいウォーク・ラリーで、心を打つ出来事があった。子どもたちの中でも小柄で、歩きとおせるのか特に心配だった女の子が最後まで歩き切ったことだ。彼女より体が大きく、学年も上の子どもたちが弱音を吐く中で、彼女はただ黙々と最後まで歩きとおしてしまった。その秘密は、リーダーたちに交じって彼女のあとをついて歩いていたお父さんにあったと思う。お父さんがときどき手をつないだりして励ましてくれたからこそ、彼女は6キロもの道のりを歩き切ることができたのだろう。まさに「父の愛」に包まれながら彼女は歩いたのだ。彼女にとって、あの日お父さんと一緒に歩いた思い出は一生消えない宝になることだろう。
 そして、いつか彼女が「イエスはどんなに苦しいときでも私たちと一緒に歩いてくださる方だ」ということを学ぶとき、彼女はきっとウォーク・ラリーでのお父さんのことを思い出すだろう。共に歩いてくれるイエスの存在を、彼女は単なる言葉としてではなく、あの日つないだお父さんの手の温もりに重ねて実感することができるのではないだろうか。
※写真の解説…北野坂を下って神戸中央教会へと向う子どもたちとリーダー。