やぎぃの日記(10) 「ガーナ・アフリカ・わたしたち」①

《お知らせ》来月は、クリスマス行事の関係で「ともに考える会」をお休みします。その代わり、①12月19日の「神戸市民クリスマス」の後、プロテスタントの若者たちとの交流会がありますし、②12月21日には青年会のクリスマス会がありますので、六甲教会の若者の皆さんはぜひともご参加ください。

 今晩、「ともに考える会」があった。今回は、神戸大学の大学院生で、この夏にJICAのインターンとしてガーナに2ヵ月派遣されていた青木哲生氏が「ガーナ・アフリカ・わたしたち」というテーマで講演会をしてくれた。青木氏は、いつもは中高生会のリーダーとして活躍している。「ともに考える会」は、基本的に若者同士の分かち合いを中心とした集まりなので、参加者は若者に限定される。だが、今回は講演会を中心とした「特別会」だったので、かつて若者だった御婦人方や壮年男性たちにも参加していただいた。ふだん若者たちが集まって何をしているのかを知ってもらい、若者たちとの交流を深めてもらうという狙いもあった。そういうわけで、今晩は30人あまりの老若男女が「ともに考える会」に集まった。
 講演は、とてもよくまとまっていて分かりやすかった。講演のあとで40分ほど質疑応答の時間を設けたが、そこで内容がさらにぐっと深まったように思う。海外での駐在などを経験された壮年の方々からは、ご自身の体験から感じた日本の海外援助のあり方への疑問などについて鋭い質問が寄せられた。御婦人方からは、食事や住まいのことなど生活に密着した質問が多かった。青年たちからは、自分たちに何ができるのかというような質問があがっていた。質疑応答のあと、いつものように下のホールに会場を移して懇親会をした。
 「ともに考える会」に御婦人方や壮年の方々を招いたのは、これが初めてのことだ。これまでは、まず若者たちの横のつながりを固めることがなによりの課題だったので、若者だけで集まっていた。だが今回は、始まって半年あまりが過ぎて若者どうしの横のつながりがだいぶ深まってきたように感じていたこともあって、思い切って年齢を越えた交流の機会を作ってみることにした。結果として、わたしが見た限りではとてもいい集まりになったと思う。質疑応答の場でも懇親会でも、年齢の壁を越えて参加者たちが熱く意見を交換したり、いろいろな話しをして盛り上がったりしている場面があちこちで見られた。若者にとっても、年配の方々にとってもいい交流の場になったのではないかと思う。
 近ごろ教会でときどき感じるのは、世代間の意見のすれ違いだ。若者たちから「年寄りは説教と昔話ばかりするので話にならない」というような声が聞こえる一方で、「近頃の若い連中は自分のことしか考えていない」というような声が年配の方々から聞こえてくる。だが、実際にはお互いにほとんど接する機会がなく、表面的な印象だけでお互いを決めつけている場合が多いようだ。年配の方々から関心を持ってもらえないと感じている若者たちは「これだから年寄りは」という紋切り型で相手を裁き、逆に若者から相手にしてもらえないと感じている年配の方々は「近頃の若い連中は」という紋切り型で相手を裁く、そのようなことがあるように思う。
 これは不幸な現象だ。ただでさえ減っていく教会の仲間同士が、たがいに反目しあっていては始まらない。まずお互いに知り合い、率直に意見を交換することから始めるべきだろう。よく知りあえば、お互いが「若い連中」とか「年寄り」とか、そのような紋切り型では裁ききれないほど多様な個性と賜物を与えられた個人であることに気づくはずだ。そのための場を、これからもできるだけ作っていきたいと思う。
※写真の解説…講演の中で、ガーナの工芸品や伝統的文様をあしらった生地を見せてもらっているところ。