バイブル・エッセイ(31) 復活したらどうなるのか

 このエッセイは、11月22日に行われた教会学校の子どもたちのためのミサでの説教に基づいています。

 イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。死者が復活することは、モーセも『柴』の個所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」(ルカ20:34-38)
 わたしたちは死んだらどうなるのでしょうか。イエス様を信じている限り死んでもイエス様と一緒に復活すると言いますが、実際にはどんなことが起こるのでしょう。今日の福音の中で、イエス様は復活した後のわたしたちの生活のことを話してくださっています。
 復活した人たちは、もうお嫁に行ったり、お嫁さんをもらったりすることがない、つまり結婚することがないとイエス様は言います。この世界でわたしたちは結婚し、家族を作って生きていますが、復活した後はもうそういうことがないようです。
 この世界での家族のきずなは残るに違いありませんが、復活したあとはもう家族だけを愛するということがなくなるのでしょう。この世界で生きているあいだ、わたしたちは「お父さん、お母さんだから大切にしよう」とか「妹、弟だから優しくしよう」などと考えて、家族でない人には冷たい態度をとってしまうことがあります。ですが、復活した後はそうではありません。わたしたちは、家族であってもなくてもみんなを同じように大切にし、愛することができるようになるのです。
 復活した人は「神の子」だとイエス様が言っていますが、復活した後のわたしたちは神様というお父さんを中心にした一つの家族になります。神様というお父さんの前では、みんなのお父さんお母さんも子どもですし、同じようにみんなも子どもです。それだけでなく、君たちの友だちや同級生、街で出会うすべての人たち、日本中に住んでいる人たち、さらには世界中の何十億人という人たちは、みんなみんな神様の子どもたちです。復活した後には、わたしたちみんなが、神様という1人のお父さんを中心にして大きな大きな家族になるのです。
 わたしたちの身近には貧しさや病気で苦しんでいる人、住む家がなく、一人ぼっちで路上生活をしている人がたくさんいます。そんな人たちを見たとき、「家族じゃないから関係ないや」という態度をとるのではなく、「ぼくの兄弟が苦しんでいる。何かしてあげたいな」と思えるようになっていきたいですね。そう思えるようになったとき、みんなはこの世界の中でも「神様の子ども」として生きていくことができるでしょう。
※写真の解説…東福寺の紅葉。