《クリスマスってなに?》

 このエッセイは、カトリック六甲教会の教会学校が毎月発行している冊子『JESUS KIDS』の12月号に掲載されたものです。

 聖堂に馬小屋が置かれ、イグナチオ・ホールもきれいに飾りつけられました。クリスマス・コンサートの準備をする人たちの歌声が毎日のように教会に響き渡っています。今年もクリスマスが近づいてきましたね。
 わたしたちは毎年クリスマスを祝って祈ったり歌ったりしますが、なぜクリスマスを祝うのかみなさん知っていますか?ほんとうに知っていますか?
 「そんなの簡単だよ、イエス様の誕生日だから祝うんだ」というみなさんの声が聞こえてきそうです。でも、それだけでしょうか。誕生日なら、わたしたちみんなにあります。お父さんやお母さんが毎年みんなの誕生日を祝ってくれるでしょう。でも、全世界の人がみんなのために祝うということはないですよね。なぜイエス様の誕生日だけは、全世界の人がみんなでお祝いするのでしょうか。
 それは、イエス様がわたしたちにとても大切なことを教えてくれたからです。イエス様はわたしたちに、この世界で生きているすべての人は、みんな一人残らず神様の大切な子どもだと教えてくれたのです。君たちのお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさん、スーパーマーケットの店員さん、八百屋さん、パン屋さん、会社や工場で働いている人たち、仕事がなくて道や公園で生活しなければいけない人たち、病気で入院している人たち、みんなみんな一人残らずとても大切な神様の子どもなんだと、イエス様はわたしたちに教えてくれたのです。このことを、少し難しい言葉で「福音(ふくいん)」といいます。「いい知らせ」という意味です。イエス様は、全世界の人にこの福音を告げ知らせるためにお生まれになったのです。
 神様という同じお父さんの子どもなのですから、この地球上に住んでいるすべての人がみなさんの家族です。教会学校でよく『地球家族』という歌を歌いますが、あの歌はこのことを言っているのだと思います。地球に住んでいるみんなは、一人残らず神様の子ども、兄弟姉妹なんだということです。これはほんとうに「いい知らせ」だと思いませんか。わたしたちは家族なので、どんなに苦しいことがあっても仲良く楽しくみんなで乗り越えていくことができます。家族の中には、誰も無視されたり、馬鹿にされたりする人はいません。みんなが、神様の子として胸を張って生きていくことができます。
 こんな「いい知らせ」をわたしたちに教えてくれたイエス様の誕生日を、みんなで集まってお祝いするのがクリスマスです。12月24日は、午後4時半から教会で子どもたちのためのミサがあります。ぜひ家族そろって来てください。みんなの元気な歌声が聖堂一杯に響くのを楽しみにしています。
写真の解説…12月19日に行われる「神戸市民クリスマス」のプレイベントとして、JR六甲道駅前で聖歌を歌う教会学校の子どもたち。