やぎぃの日記(15) 第50回神戸市民クリスマス


 神戸市民クリスマスが、なんとか無事に終わった。前日の18日は朝早くに山口で初ミサを立て、昼過ぎに福岡で初ミサを立ててから、夜は六甲で通夜を司式した。当日も、回心の集会祭儀と葬儀ミサを終えてから中央教会に駆けつけたので、正直言って直前まで十分な準備が出来ていなかった。「自転車操業」という言葉があり、止まると倒れるという意味だそうだが、ここのところ文字通り「自転車操業」の日々が続いている。
 打ち合わせや祭器具の確認をしたあと1時間くらい自由な時間があったので、青年の交流会のために予約していた地下室にこもって1人でしばらく祈っていた。この時間が本当にありがたかった。波立った心を静め、神の呼びかけに心を開かなければ、人前で神について話すことなどできないからだ。心を静めて、心の底から呼びかける声に耳を傾けていく中で、何を話したらいいのかが次第に示されていった。準備していた紙に少しずつそれらを書き留め、なんとか1時間で準備を終えることができた。時刻はもう、開始の1時間前になっていた。
 リハーサルを終えて香部屋に戻り、しばらく心を静めた。開始の10分前に聖堂をのぞくと、あふれんばかりの人だった。補助いすがたくさん出ていたが、もうそれさえも満席で立っている人たちさえいる。予想以上の盛況に驚いたが、もうここまで来たら神様にすべてをお委ねするしかないとも思った。
 結果がどうだったのかはわからない。皆さんが話をよく聞いてくださっていることだけははっきりわかったので、わたしとしても全力で話したつもりだ。終わってから何人かの方たちが激励の言葉をかけてくださったのがうれしかった。夏前から始まった長い準備を経て、ようやくすべての仕事を果たし終えたという安堵感と、たくさんの人たちのために何かができたという喜びを深く感じた。体は疲れ切っていたが、心地よい疲れだった。
 献金のお願いなどすべての仕事が終わった後で、聖公会日本基督教団の若者たちと合同で青年の交流会を行った。25人くらいの若者たちが参加してくれて、この交流会もとてもよかったと思う。あちこちで教派の壁を越えた話の輪が出来上がり、笑い声が飛び交う和やかな空気が広がっていた。ここから何かが始まるかもしれない、そんな期待を抱かせる交流会だったと思う。来年も、この仲間たちと神戸市民クリスマスを盛り上げていきたい。




※写真の解説…1枚目、キャンドルで飾られた庭。2枚目、カトリック神戸中央教会の庭に飾られたキャンドルを囲んで、聖歌を歌う人たち。3枚目、キャンドルに見入る親子。