フォト・エッセイ(70) 雪の草津温泉

《お知らせ》12月29日から30日まで、中高生会の練成会の下見のため津和野に行ってきます

 東京での管区集会と若手の集いが終わったあと、新司祭2人と一緒に草津温泉に行ってきた。母が3人を温泉に招待してくれたのだ。
 風邪ひきのまま東京に出てきたので温泉に行けるかどうか不安だったのだが、幸いなことに体長は少しずつよくなり、集会の最終日には軽い頭痛を残すのみになった。集会が終わるとすぐに、電車を乗り継ぎいで草津に向かった。7時ころ、すでに夜の闇に包まれた草津に到着した。ライトアップされた湯畑の横を通ってホテルに着くと、母と晩御飯が部屋でわたしたちを待っていた。
 晩御飯を食べてから新司祭たちと一緒に温泉に入った。これまで日本中のいろいろなところで温泉に入ってきたが、草津温泉は泉質が飛びぬけていい温泉だと思う。お湯の肌触りがなめらかで、体を温かく包み込んでくれるような気がする。硫黄の匂いも、温泉ムードを盛り上げてくれる。温泉に入った瞬間に、3人が口々に「うーん、いいなぁ」と声をあげた。これまで何ヶ月か体にたまっていた疲れやストレスが、一瞬のうちに洗い落とされたような感じがした。
 風呂の中でも3人で色々なことを話し、風呂を上がってからも部屋で夜中まで話し続けていた。3人ともそれぞれの場で同じような体験をしているので、話がとても盛り上がった。ミサの内容の充実と時間短縮をどう両立するか、説教で何をどうやって話したらいいのか、秘跡を執行するときに感じる言いようのない喜びのこと、教会や修道会の将来についてのことなど、いくら話してもきりがなかった。参考になる話や励まされる話がたくさんあった。とても豊かな分かち合いだったと思う。
 この2人には、神学生時代の困難なときにたびたびお世話になってきた。彼らがしっかり支えてくれていなければ、わたしが司祭叙階を許可されることはきっとなかっただろうと思う。彼らと一緒に叙階され、これから共に司祭としての道を歩んでいけるということは本当に大きな喜びだ。今回の集会中、自分がイエズス会の一員であることを改めて実感する場面がたびたびあったが、彼らとしっかり結ばれているということがわたしにとって何よりも強いイエズス会との絆だと思う。







※写真の解説…1枚目、ライトアップされた草津の湯畑。2枚目、湯畑。3枚目、雪をかぶったお地蔵さん。4枚目、西の河原園地。