祈りへの招き(3) 十字架上のイエスとの対話

 先日の「ともに祈る会」の最後に、聖週間にお勧めの祈りとして紹介した祈り方です。

《十字架上のイエスとの対話》
 自分の部屋や教会の聖堂で、十字架を前にして次のように祈ってみてください。
1.準備
 まず呼吸に意識を集中し、ゆっくり静かに息を吸ったり吐いたりしてみましょう。気持の高ぶりやざわつきがある程度おさまるまで続けてみてください。
2.思い巡らす
 目の前に置かれた十字架上のイエスを見つめながら、イエスの十字架上での苦しみがどれほどひどいものだったか思い巡らしてみましょう。イエスの苦しみは肉体の苦しみだけではありませんでした。愛してやまなかった弟子たちやユダヤの人々から裏切られ、見捨てられた孤独の苦しみのほうが、むしろ肉体の苦しみよりも厳しかったかもしれません。神さえも自分を見捨てたかのような沈黙を保っています。
(⇒できるならば、イエスの姿を「心の目」でしっかりと見つめてみましょう。目の前にイエスがいるかのように、イエスの存在と向かい合ってみましょう。)
3.痛悔の祈り
 わたしたちは、日々の生活の中で自分自身や隣人を裏切ったり、見捨てたりすることによってイエスを裏切り、見捨てています。十字架上のイエスを苦しめているのは実はわたしたち自身なのです。そのことを思い巡らし、イエスに心からお詫びしましょう。
4.イエスとの対話
 最後に、「自分は今までイエスのために何をしてきたのか」、「今、イエスのために何をしているのか」、「これからイエスのために何をしたいのか」を十字架上のイエスに話してみましょう。イエスは、わたしたちの心に何を語りかけてくださるでしょうか。はっきりした言葉が聞こえなかったとしても、「言葉を越えた言葉」でイエスはわたしたちに語りかけてくださっています。その声に耳を傾けましょう。
 対話を通してなんらかの恵みが与えられたと思ったら、「主の祈り」を唱えて祈りを終わってください。
※写真の解説…醍醐寺三宝院の枝垂桜。