JESUS KIDS記事「マリア様の月」

 このエッセイは、カトリック六甲教会教会学校が毎月発行している小冊子「JESUS KIDS」5月号のために書いたものです。

「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。
わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。
あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました
主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」(ルカ1:42-45)
 5月は、イエスのお母さん、マリア様に捧げられた月です。毎年この月の最後の日、5月31日に教会は、イエス様をお腹にやどしたマリア様が遠くに住んでいる親戚のエリザベトに会いに行ったことをお祝いします(注)。最初に書いた聖書の言葉は、そのときエリザベトがマリアに話しかけた言葉です。みなさん「めぐみあふれる聖マリア」のお祈りを知っていますね。あのお祈りは、このエリザベトの言葉から作られたお祈りです。
 なぜマリア様はそんなに神様から愛されているのでしょう。それは、マリア様がイエスを生み、育てることを神様に約束したからです。もしマリア様がイエス様を生まなければ、どんなに神様がすごい方でもイエス様をこの世界に送り出すことはできませんでした。お母さんがみなさんを生まなければ、みなさんは今この世界にいなかったでしょうが、それと同じことです。
 もしマリア様がイエス様を生み、ヨセフ様と一緒に育ててくださらなければ、わたしたちは神様がどれほどわたしたち人間の一人ひとりを愛しているかを知ることができなかったでしょう。わたしたち一人ひとりが大切な「神様の子ども」だということを教えてくれたのは、イエス様だからです。教会学校ではよく、みんな一人ひとりが大切な「神様の子ども」だと話しますが、それはイエス様がそう教えてくれたからなのです。
 マリア様がいてくださったからこそ、わたしたちは「神様の子ども」として喜んで幸せに生きることができるのです。マリア様がいてくださったからこそ六甲教会があり、わたしたちの教会学校があると言ってもいいくらいです。ですから、マリア様はわたしたちにとってとても特別な方です。
 街中に緑があふれ、あちこちに美しい花が咲くこの5月に、マリア様に向かってお祈りすることができるのはすばらしいことですね。みんなで心を合わせて、イエス様のお母様であるマリア様にお祈りしましょう。
注・今年は5月31日が聖霊降臨の主日に当たるため、教会ではお祝いしません。聖霊のお祝いの方が、マリア様のお祝いに優先するのです。なお、5月をマリア様に捧げる信心は、18世紀イエズス会によって全世界に広められました。
※写真の解説…カルメル会山口修道院のマリア像。