フォト・エッセイ(136)生田川遠足①


 先日、マシア神父さんや教会の青年たちと一緒に山歩きをしてきた。以前に歩いてすっかり気に入った生田川上流の道を、ぜひ若者たちにも体験してもらいたいと思ったからだ。集まったのは、司祭、シスター、青年信徒の入り混じった10人ほどのおもしろいグループだった。
 当日は、早朝まで雨が降っていた。天気予報もよくないし、これはもうダメかなと思って別のコースを考えざるをえないような状況だった。ところが、そう思って外を見ているときに雲の間から太陽が差し始めた。まるで奇跡のようだった。8時過ぎに雨は完全に止み、なんと青空が見え始めた。気のせいか、青空のかなたから「行ってらっしゃい」という神様の声が聞こえたような気がした。
 9時に新神戸駅で集合し、まず布引の滝に向かった。布引の滝には大きく言って雌滝と雄滝の2つがあるが、一番近い雌滝は駅から歩いて10分ほどのところにある。滝に近づいたとき、異様な轟音が聞こえてきた。これまでに布引の滝には10回以上行ったことがあるが、1度も聞いたことがない音だった。
 雌滝が見えるはずの場所に着いたとき、わたしたちの目に飛び込んできたのは普段とまったく違う光景だった。雌滝のおとなしいイメージと正反対の、激流逆巻く滝がそこにあった。近よることさえ恐ろしいほどの轟音と激流に直面して、わたしたちは呆然と立ち尽くした。







※写真の解説…1枚目、布引の滝(雄滝)。2枚目、布引の滝(雌滝)。3枚目、滝のすぐ下の流れ。4枚目、滝の水しぶき。