フォト・エッセイ(138)生田川遠足③


 河原でしばらく過ごしたあと、森林植物園を目指して歩き始めた。生田川沿いの、気持のいいハイキングコースだ。途中、何箇所かで川を渡ったり水遊びをしたりしながらゆっくりと進んでいった。
 魚を釣って焼いて食べようと思い、釣竿をリュックの中に入れていたが、増水のせいか肝心の魚の姿がなかなか見えない。いつもはたくさんの魚が群れ泳いでいる市ケ原の河原でさえ、魚の姿が見えなかった。しばらく歩いて、前回18㎝の大物を釣った場所に差し掛かったとき、ようやく念願の魚の姿が見えた。やや小型だが、たくさんの魚が瀬に群れている。
 さっそく釣竿を出し、餌をつけて針を投げ込んだ。すると、投げ込んだ瞬間に5㎝くらいのカワムツが釣れた。青年たちも釣ってみたいというので、みんなに釣竿を回した。生まれて初めての釣りという人も多かったが、みな5分もしないうちに人生で最初の1匹を釣り上げていた。一番大きな魚を釣ったのは、今回初めて釣りをしたという小学校の先生だった。
 そんなことをしながら、約1時間半ほどで森林植物園に到着した。そのあとお決まりのコースで「すずらんの湯」に行き、遠足でかいた汗を流した。湯上りは三宮に出てビアホールで乾杯した。まるで、神様がくれたプレゼントのようなすばらしい夏の1日だった。







※写真の解説…1枚目、道端の木。2枚目、ハイキングコースのあちこちに咲く、フサフジウツギの花。3枚目、杉木立の中を行く一行。4枚目、カワムツを釣り上げて喜んでいる片柳神父(撮影・U君)。