フォト・エッセイ(139)売布「祈りの森」①


 先日、黙想指導のため、2泊3日で売布にある御受難会の黙想の家に行ってきた。売布の黙想の家の話はよく聞いていたが、行ったのは今回が初めてのことだった。今回は、カトリックではなく日本聖公会の召命黙想の指導だった。
 初日は、午後に着いて、自己紹介やらオリエンテーションやらをしているうちに夜になってしまったので外に出られなかった。2日目の朝、朝祷のあと庭を散策してみた。早くから太陽が照りつけ、本格的な夏の到来を感じさせる朝だった。歩き始めて驚いたのは、敷地の広さと木の多さだ。モミジ、杉、松、楠木などが鬱蒼と茂った森が、芝生の庭と黙想の家の建物を取り囲んでいる。森のあちこちにヒマラヤスギやダイオオショウなどの巨木が聳え立ち、深い森の中でしか見られない陰影の豊かな木陰を作り出していた。
 森を管理しているブラザーの話では、この黙想の家には森も含めて1万坪の敷地あるという。買い取ったときは3万坪あったのだが、東京の土地を買うために2万坪は転売してしまっのただそうだ。「松くい虫の被害を受けて、この10年で数百本の松を切ってしまったのですかすかになりました」とおっしゃっていたが、これで「すかすか」だとすれば最初は一体どれほどの森だったのだろう。







※写真の解説…宝塚黙想の家「祈りの森」にて。1枚目、ダイオオショウ(松科)の巨木。