やぎぃの日記(62)青年会練成会in広島


 11月22日から23日の連休を利用して、10人ほどの若者たちと一緒に青年会練成会のため広島へ行ってきた。幸いお天気にも恵まれ、とても充実した2日間だった。今回の練成会は「平和」がテーマだった。1日目は大久野島という瀬戸内海の小島に作られた旧日本軍の毒ガス工場の跡地を見学し、2日目には平和公園を訪れた。
 銀杏の黄色やモミジの赤があちこちで美しく輝く平和公園を散策しながら、改めて原爆の恐ろしさを思った。数十万人の人間が生きている街の上空で、一体何者が数万度の高熱を発する爆弾を炸裂させることができたのか。一体何者が、子どもも女性も老人も、街で暮らすすべての人間を一瞬のうちに焼きつくす決断を下すことができたのだろう。
 それは、おそらく無数の人々の悪意と無関心が集まって出来上がった、邪悪な何者かだ。「悪魔」と呼んでもいいかもしれない。1人ひとりの人間が抱く悪意は小さなものでも、それが数千万人分も集まると一つの街を完全に焼き尽くすほどの巨大な悪意になる。1人ひとりの「そんなのどうでもいい」という無関心が重なり合って、巨大な悪意が実行されるのを許してしまう。
 無残に破壊された原爆ドームを川の対岸から眺めながら、改めて人間の悪意と無関心の恐ろしさに慄然とする思いがした。2度と戦争など起こさせないために、ほんのわずかな悪意も無関心も慎重に心から取り去っていきたい。
※写真の解説…原爆ドーム