カルカッタ報告(74)8月28日五十嵐さんたちとの夕食


 晩御飯を五十嵐さんのグループと一緒に食べることになっていたので、ポーロさんに頼んで車を直接、五十嵐さんたちが泊っているウェスレー・ホテルに向けてもらった。マザー・ハウスとサダル・ストリートの真ん中くらいにあるホテルだ。
 ホテルのロビーでポーロさんに今日の代金を支払い、お礼を言って別れたあと、五十嵐さんたちを呼び出してもらった。五十嵐さんは今回、2人の女性を連れてカルカッタに来ている。1人は大学生で1人は社会人だという。せっかくだからお互いの体験を分かち合いましょうということで、今晩は一緒に食事をすることになった。
 五十嵐さんは年に数回、ボランティアのツアーを企画してカルカッタに来ている。1985年以来、もう20年以上続けているツアーだ。これまでの参加者は、2000人を越えるという。最近、マザー・テレサの名前を使って高額の旅費を取る悪質なツアー会社も出てきているが、彼のところは本当に良心的な値段を設定している。「神の愛の宣教者会」のシスターたちもそのことを知っていて、彼をとても信頼しているようだ。彼のツアーがきっかけで、「神の愛の宣教者会」のシスターになった人さえいるという。
 五十嵐さんは、わたしたちをフリー・スクール・ストリートにあるインド料理屋さんに案内してくれた。エアコンのきいた、きれいなレストランだった。みんなでいろいろな種類のカレーをとって、分けて食べることにした。
 わたしの席の近くに、五十嵐さんのグループで来ている大学生が座った。彼女は、なんと今回が生まれて初めての海外だという。どうせ行くならヨーロッパやアメリカではなく、日本と全く違う場所ということでカルカッタを選んだそうだ。思った通り毎日がカルチャーショックの連続で、とても楽しいという。色白で華奢な外見にもかかわらず、なかなか頼もしい若者だ。
 しばらく楽しい語らいのひと時を過ごした後、わたしたちはパーク・ストリートからタクシーを拾ってホテルに帰った。こちらに来て以来、毎日動きっぱなしでみんな疲れているようだ。身体が最後まで持つといいのだが。 
※写真の解説…ジャスミンの花。タゴール・ハウスにて。