やぎぃの日記(72)ルイス・カンガス神父③


 黙想中に、カンガス神父から勧められたことがある。それは、司祭として長く働きたいならば、そのために生活をきちんと整えていかなければならないということだ。ある意味で当然のことかもしれないが、とても大切な勧めだと思った。
 司祭としての奉仕に熱心であればあるほど、夜遅くまで相談や付き合いが入ったりして生活が不規則になってくる。しかし、司祭としてなによりも優先すべきは霊的生活であり、霊的生活がきちんと整えられていなければ奉仕自体に意味がなくなる。だから、霊的生活に支障をきたすような相談や付き合いなどは「腹をくくって断るべきです」とカンガス神父はおっしゃっていた。御自分も新司祭だったころに生活が乱れたことがあり、その時にそう決断したのだという。
 また、司祭として生きる中で生じてくるストレスや孤独のはけ口をアルコールに求める人もいるが、それよりも体を動かした方がいいとも言っておられた。「わたしは毎週、山登りに行っています。アルコールに向かった人たちは、もう老人ホームに入っています」と笑いながらおっしゃったのが印象的だった。
 新司祭のうちは、はりきりすぎてどうしても生活が乱れがちだ。だが、それで神様から離れてしまったら元も子もない。「司祭としての奉仕の前提であり、土台である祈りの生活を何よりも大切にしなさい。」このカンガス神父の教えをしっかりと胸に刻みたいと思う。
※写真の解説…山口、雪舟庭園裏の山道。