カルカッタ報告(93)8月30日Sr.プリシラとの別れ


 聖堂を出て、わたしは事務室に向かった。9時からの最後のミサのことでSr.クリスティーと打ち合わせをしたいと思ったからだ。わたしが事務室にたどり着く前に、Sr.クリスティーの方が中から出てきてわたしに話しかけた。「Sr.プリシラが、たぶんこれが最後になると思うから祝福を受けたいと言っています」とのことだった。
 事務室の前でしばらく待っていると、最初の日と同じように車いすに乗ったSr.プリシラが、Sr.シャンティと一緒に出てきた。Sr.プリシラはわたしの顔を見ると「もう帰ってしまうのね。わたしはもうすぐ天国に帰るから、きっとこれが最後になるでしょう。どうか祝福してください」と言った。わたしは、心の底からの祈りを込めて、Sr.プリシラを祝福した。彼女の地上で残された日々の上に、神の祝福が豊かに降り注ぐよう祈らずにいられなかった。
 祝福が終わると、Sr.プリシラは名残惜しそうにこちらを振り返りながら、車いすで去って行った。彼女のような人たちの祈りが、わたしの司祭職を支えてくれているのだとしみじみ感じた。そうでなければ、わたしが司祭になるなんてありえなかっただろう。
 Sr.クリスティーと打ち合わせした後、わたしは1度ホテルに戻って休むことにした。最後のミサまで、まだ1時間ある。
※写真の解説…サーキュラー・ホテルの屋上から見下ろしたA.J.C.ボース・ロード。右上の白い建物がマザー・ハウス。