マザー・テレサの言葉を読む(12)愛の光を輝かす太陽


喜びにあふれた人は、
神様の愛を輝かす太陽のようなものです。

 神から愛される喜び、神を愛する喜びは、わたしたちの心に灯された火のようなもので、わたしたちの周りを光で照らします。その喜びが深ければ深いほど火は大きくなり、太陽のように輝き始めるでしょう。その光は神の愛から出る光であり、神の愛の輝きなのです。
 そもそも、喜びというのはどんなものであっても自分の中に隠しておくことができません。まるでコップに注がれた水がやがて縁からあふれ出すように、わたしたちの心に注がれた喜びも心からあふれ出していくのです。恋人ができると急にその人の雰囲気が変わるというようなことがよくありますが、大きな喜びは自然にその人からあふれ出して周りの人に伝わっていくのです。
 マザーはそのことを、「喜びは伝染します」という言葉でも表現しています。喜んでいる人を見ていると、その喜びがうつって自分までうれしくなってくるということです。そのようにして、喜びはさらなる喜びを生み、わたしたちの周りへと広がっていくのです。
 冒頭の言葉は、マザーが福音宣教に旅立つシスターたちに向けて語った言葉ですが、神から愛される喜び、神を愛する喜びに満たされていることこそ、福音宣教の第一条件でしょう。もし喜びで満たされているなら、一言も語らなかったとしてもわたしたちの存在自体が福音宣教になりますし、もし喜びがないなら、百万の言葉を費やしたとしても福音を伝えることはできないのです。祈りの中で喜びをしっかりと感じ、喜びのうちに福音宣教の旅を続けたいものです。