マニラ日記(13)回復期


10月2日(土) 回復期
 昨日、1週間ぶりにMedical Cityに行って診察を受けてきた。先週受けた精密検査の結果を踏まえての診察だった。一番恐れていたのは昔かかった病気の再発だったが、幸い検査でその病原菌は発見されなかった。症状はとても似ているが、抗生物質も効いていることだし、おそらく通常細菌の感染による肺炎だろうという結論になった。とりあえず一安心だ。
 医師と感謝の握手を交わしてから診察室を出て、受付で支払いをしようとすると「支払いはありません。うちの先生は司祭からは診察料を受け取りませんから」とのことだった。とても感じのいい若い先生だったが、きっと熱心なカトリックの信者さんなのだろう。Medical CityのDr.Tamondongの名前は、しっかり覚えておきたいと思う。
 神学院に戻って第三修練長のロジャー神父に結果を報告し、今後のことについて指示をあおいだ。当面の問題は、今行われているナボタスでのスラム街実習に合流するかどうかということだった。病状の説明を聞きながらロジャー神父はしばらく考え込んでいたが、結論としては「スラム街実習のことは忘れなさい」とのことだった。3週間近く発熱や咳が続いていたことを考えれば、よくなったからと行ってすぐにスラム街に行くのは危険すぎる。むしろ今は、第三修練の要である大黙想に備えて体力を回復した方がいい、というのが判断の理由だった。
 確かに、ここでさらに体調を崩して大黙想に差支えが出るようなことになれば、それこそ元も子もない。スラム街実習も、来るべき大黙想のための準備の一つに過ぎないのだ。仲間たちがスラム街で厳しい体験をしていることを思うと心苦しいが、ここはじっと我慢するしかないだろう。イグナチオ霊性に関する文献を読みながら、第三修練者たちの帰りを待ちたいと思う。
《御礼》この度は、病気の回復のためにたくさんの方々にお祈りいただき、本当にありがとうございました。ご心配をかけて申し訳ありませんでしたが、今後は健康に十分に注意しながらフィリピンでの第三修練に臨みたいと思います。皆様方の上にも神様の祝福が豊かにありますよう、遠くマニラからお祈りしております。
※写真の解説…夕暮れ時のアテネオ・デ・マニラ大学キャンパスにて。