マニラ日記(33)M.C.初誓願式Ⅰ〜15年前の記憶


12月5日(土) M.C.誓願
15年前の記憶
 第三修練仲間のティト神父、プスポ神父と一緒に、トンドのサント・ニーニョ教会で行われた「神の愛の宣教者会」(Missionaries of Charity,略称M.C.)の初誓願式に行ってきた。
 M.C.の初誓願式にはカルカッタで4回、ローマで1回、合わせて5回参加したことがある。しかし、共同司式司祭として祭壇側から参加するのはこれが初めての体験だった。今回は、わたしたち3人のイエズス会司祭を合わせて14人での共同司式だった。主司式は、フィリピン修道会連合の会長をしておられる年配の神父さんが務められた。
 式の直前に思わぬ再会があった。1人のインド人のシスターに「日本から来たイエズス会の司祭です」と自己紹介したときのことだ。わたしの顔をじっと見た後、そのシスターは驚いた顔をして「もしかしてあなた、ポールじゃありませんか」とわたしに問いかけた。15年前、カルカッタでボランティアをしていた頃のわたしを知っているシスターだったのだ。ポールというのはわたしの洗礼名で、当時マザー・テレサを含めてシスターたちは皆わたしのことをポールと呼んでいた。
 しばらく話すうちに、わたしと霊的養子縁組をしていたSr.マーガレット・メリーが彼女に、わたしが司祭になった話をしていたのだということが分かった。それで、わたしのことが強く印象に残っていたらしい。この思いがけない再会のお蔭で、わたしの心に当時の思い出がはっきりと蘇ってきた。
 あの頃は、誓願式のたびにシスターたちから写真係を頼まれ、少しでもいい写真を撮ろうとして聖堂をあちこち走り回っていたものだった。お蔭でゆっくりと式に与った思い出がない。お蔭でゆっくりと式に与った思い出がない。今、日本中を周って展示されているマザーの写真は、そのようにして撮影したものだ。
※写真の解説…入堂の時を待つ、初誓願宣立を目前にひかえたシスターたち。