マニラ日記(36)ラルシュ・プンラ訪問Ⅱ〜懐かしい食卓


2.懐かしい食卓
 わたしが住んでいるアテネオ・デ・マニラ大学からマニラのラルシュ共同体「プンラ」までは、ジープニーで40分から1時間ほど(道の混み具合によって大きな違いが出る)の距離にある。午前中M.C.の初誓願式があった12月4日の夕方、わたしは初めてこの共同体を訪問した。
 タガログ語で「種」を意味する「プンラ」の愛称で知られるこの共同体は、1990年代にフィリピン人の元神学生によって始められたという。2代目の責任者は、なんと日本人の女性だったそうだ。今はレトレットという40代前半のフィリピン人女性が責任者を務めている。わたしが共同体のあるバヤニハン・ビレッジにジープニーで到着したときも、レトレットが外まで迎えに出てくれた。
 ちょうど夕食が始まるときだったので、到着早々わたしは共同体の仲間たちと一緒に食卓に着くことになった。食事をしているときに、またとても不思議な感覚に陥った。「かなの家」を訪れたときと同じで、初めての場所なのにまるで家族の一員として迎え入れられたような気がしたのだ。そのときわたしは、「ああ、ラルシュに来たんだ」と強く感じた。全ての人を家族の一員のように迎え入れる温もりこそ、わたしが知っているラルシュだ。
※写真の解説…朝の散歩に出かける仲間たち。