マニラ日記(37)ラルシュ・プンラ訪問Ⅲ〜仲間たちとのミサ


3.仲間たちとのミサ
 2日目の12月5日は日曜日だったので、午前中、共同体の仲間たちのためにミサを立てた。国民の90%以上がカトリック信徒というこの国では、知的障害を負った仲間たちもスタッフたちも皆カトリック信徒だ。
 共同体の中でも特に重い障害を持った仲間の1人、レイモンドが、ミサが始まる前からうれしそうにタンバリンを鳴らしていてくれたので、小さなチャペルは最初から喜びの雰囲気に包まれていた。レイモンドの他に、身体障害のために車イスで生活しているジョーダンや、ダウン症の仲間たちなど、この共同体で生活する7人の仲間たちと5人のスタッフがミサに参加してくれた。
 ミサのあいだ中、わたしの心は神の愛の中で固く一つに結ばれた共同体のぬくもりに満たされていた。説教も、わたしの不完全な英語をレトレットがタガログ語に通訳してくれたので、何とか仲間たちに伝わったようだった。
 説教では、祈りやミサの中で心に感じる温もりこそ、わたしたちの心からあらゆる心配、不安、いらだちなどを焼き尽くす聖霊の炎なのだという話をした。水による洗礼は1回でも、聖霊の炎による洗礼は心にこのぬくもりを感じるたびごとにわたしたちの中で繰り返される。そのたびごとにわたしたちは人生の苦しみから解放され、新たに生まれ変わるのだ。このミサを通して、わたしはあらためてそのことを強く感じた。
※写真の解説…ミサの後の記念撮影。