《地区長就任にあたって》


教派を越えたつながりの中で、谷間に置かれた人々の心を生きる
〜神戸の特色を生かした地区づくり〜
 大司教様からの思いがけないお声がけで、この度、神戸地区地区長の大任を引き受けさせていただきました。司祭に叙階されてまだ3年、経験浅く力もないわたくしですが、「新生計画」の崇高な目標を地区レベルで実現するため全力を尽くしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 明治期から国際都市として栄え、同時に洪水や大震災など幾多の試練を乗り越えてきた神戸には、次の2つの大きな特色があると思います。
①多くの教会が密集する中でエキュメニズムの伝統が育まれてきたこと。
阪神淡路大震災などの災害を乗り越える中で、「谷間に置かれた人々」の心に寄り添う活動が活発に行われてきたこと。
 エキュメニズムについて言えば、神戸では50年以上前から超教派の市民クリスマスが行われてきましたし、2000年の聖書展をきっかけに設立された神戸バイブル・ハウスの活動も盛んです。この数年、青年たちのあいだで鍋の会やBBQ大会、チャリティー・ライブなど従来の枠組みにとらわれない交流も進んでいます。これらの活動は、神戸地区全体に大きな活力を与えてくれるでしょう。
 「谷間に置かれた人々」の心に寄り添うためには、神戸社会活動センター、神戸地区社会活動委員会、須磨夜回りの会、たかとりコミュニティーセンターなどがそれぞれに独自の活動を展開しています。炊き出しや夜回りなどいくつかの活動では、他教派との協力も見られます。今後さらに、行政や市民団体、他教派との連携の中で、独居老人や心身の病を抱えた方々、在日外国人の方たちなど、社会の谷間に置かれた方たちのもとに福音を伝える活動に力を入れていくべきでしょう。
 「新生計画」中で最も強調されているのは、これらの教会活動が司祭、修道者だけのものではなく、信徒のものでもあるということです。それぞれが与えられた力を出し合い、共に支え合いながら、神戸の地での福音宣教を進めていきましょう。
カトリック大阪大司教区神戸地区の広報誌「つながり」8月号に寄せた地区長就任のご挨拶です。神戸地区の皆様、大阪教区の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
※似顔絵作成…鈴木肇さん(カトリック六甲教会信徒)。