やぎぃの日記(112)負けるな紀伊半島1〜被災地の状況


負けるな紀伊半島1〜被災の状況
 9月18日から19日にかけて、台風12号で甚大な被害を受けた和歌山県新宮市那智勝浦町に行ってきた。現地の様子を肌で知り、被災された皆さんの話を直に聞くなかで、何か支援できることを見つけたいというのが動機だった。鉄道が破壊されて止まっているため、岸和田地区の信者さんの車で現地に入った。現地の様子を全国に知らせたいと願う、新聞記者さんも一緒だった。現地では、カトリック新宮教会の酒井神父様が、1日がかりでわたしたちを被災地や被災された信者さんのお宅に案内してくださった。そのときの様子を、文章と写真で皆さんにも御紹介したい。
 まず、新宮付近の被災の状況についてだ。新宮市内では土砂崩れなどによって12人の方々が亡くなり、2人が行方不明なっているという。隣接する那智勝浦町では23人の方々が亡くなり、3人が行方不明になっている(数字はいずれも9月22日現在)。被害は山間部に集中しているが、市街地でも熊野川那智川などの河川にそって広範囲で浸水の被害が出た。川に隣接する地域では、2m以上の床上浸水があったとのこと。ただ、わたしたちが行った段階ではすでに市街地の大部分で後片づけが進んでおり、床下浸水の地域に関してはほとんど被害がわからないくらになっていた。酒井神父様の話では、被害が比較的小さかった市街地とすさまじい被害で未だに立ち入りさえも困難な山間部の間に、今回の災害についての温度差が生まれてきているらしい。わたしたちが見た限りでも、市街地と山間部の間で、さらには山間部でも河川の流域とそれ以外で被害に大きなばらつきがあることがよく分かった。
 カトリック新宮教会の信者さんの中では、4軒が床上浸水の被害を受けたという。市街地にお住まいの方が多く、幸い死傷者はでていない。那智勝浦町熊野川流域の被災地を見て回ったあと、わたしたちは今回、被災された信者さんたちの家が集中している三重県紀宝町を訪れた。紀宝町熊野川を挟んで新宮市に隣接した地域だが、熊野川が県境になっているため三重県に属している。そのため、紀宝町は厳密に言えば京都教区の管轄で大阪教区ではないのだが、地理的に近いことから信者さんたちは皆、新宮教会に通っているそうだ。
※写真の解説…茶色く濁った水が流れる那智川。この上流部で大きな被害が出た。結納を終えたばかりの町長さんの娘と奥さんが流され、死亡するという痛ましい出来事も、この上流で起こった。