やぎぃの日記(125)福島のお母さんたち6〜切なる願い


福島のお母さんたち6〜切なる願い
 放射能の危険性について専門家たちの間でさえ意見が大きく食い違う中、多くのお母さんたちが、福島で生活を続けながら状況を見極める道を選んだ。もちろん、危険かどうか分からない以上、万が一に備えて子どもたちを放射能から守るための努力は続けなければならない。食材はよく洗い、よく煮てから食べる。子どもは普段できる限り外に出さず、週末だけ会津若松など汚染が比較的少ない地域に連れていって遊ばせるなど、お母さんたちは様々な工夫を凝らしながら状況の推移を見守っている。
 しかし、そんな生活が7ヶ月以上に及び、母子ともにストレスが限界に達しつつあるようだ。遊びたいさかりの小学生を家に閉じ込め、ゲームや読書、お絵かきなどだけで過ごさせるのは容易なことではない。テレビをつければ、画面の片隅にはいつも放射能情報が流れている。そんな状況の中で、お母さんたちは放射能を気にしなくていい場所で、子どもたちを思う存分に遊ばせてあげたい」と心の底から望んでいる。
 最後に、県外からの支援で一番ありがたいのは何かとお母さんたちに尋ねると、「子どもたちを数日でもいいから放射能汚染地域から連れ出してくれること」だとの答えがすぐに返ってきた。すでに自治体やNGOなど様々なレベルで子どもたちのために短期保養プログラムやリフレッシュ・キャンプのようなものが行われているが、あまりにも倍率が高くて応募してもなかなか当たらない。教会やキリスト教系の学校がそのようなことを企画してくれれば本当に助かると、お母さんたちは言う。
※写真の解説…カトリック六甲教会の教会学校キャンプにて。