フォト・ライブラリー(204)初冬の有馬へ〜前半

初冬の有馬へ〜前半

12月半ば、寒さが厳しい冬晴れの山道を、有馬を目指して歩きました。今年は紅葉が遅かったので、日当たりのいい海側の斜面の木々はまだ色づいたままです。

日当たりのよい山道から、まずは名勝「油こぶし」を目指して進んでいきます。カトリック六甲教会のある「六甲登山口」から歩き始め、有馬へと抜けていく一番短距離のルートです。

散り残ったモミジが、真っ赤に色づいていました。遅く色づくモミジは、早く色づくモミジよりも赤みがより一層深いように感じます。

柿の木が一本だけ生えていました。かつてこの辺りにも民家があったのでしょうか。今は、とって食べる人もいません。

色づいた木々のトンネルの中を、落ち葉を踏みしめながら黙々と進んでいきます。風が木々の枝を揺らす音、時折聞こえる小鳥たちの鳴き声、落ち葉を踏みしめる音を想像してみてください。

休み休み進んでいくと2時間ほどで名勝「油こぶし」に出ます。六甲山頂に連なる標高630mほどの峰で、遠く神戸の街並みを見渡すことができます。「油こぶし」の名は、かつてこの山道を有馬に向かって旅していた油商人たちが、きつい斜面を油をこぼしながら登っていったことに由来すると言われています。