《2012年・クリスマスのご挨拶》


クリスマスのご挨拶
みなさま、クリスマスおめでとうございます。
 ようやく年内の仕事が終了し、本日、遅ればせながらクリスマス・カードを作りました。毎年、クリスマス・カードにはその年に頂いた一番大きな恵みをデザインし、その喜びみなさんと分かち合うことにしています。今年は新年をマニラで迎え、2月には旧スモーキー・マウンテンのスラム街でのホーム・ステイ、3月にはカルカッタへの里帰り、4月にはカトリック六甲教会への再着任、6月にはカトリック大阪大司教区神戸地区の地区長に着任、それらの仕事の傍ら4月、8月、10月と3回福島を初めとする被災地を訪ねるなど、本当にたくさんの出来事があった年でした。すべての出来事が神様からの恵みであり、大切な贈り物だと思いますが、それらの中でも一番心に深く残った出来事はカルカッタ「神の愛の宣教者会」本部修道院(マザー・ハウス)でミサを立てられたことでした。
 2009年に司祭として初めてカルカッタを訪れたときは、短期間だったため本部修道院でのミサでは共同司式しかできませんでした。そのため、帰り際に昔馴染みのシスターたちから「一度も説教を聞かせてくれませんでしたね」と咎められたのですが、今回の3週間あまりの滞在では合計20回ほど説教をすることができました。あれだけ聞けば、シスターたちももうたくさんでしょう。告解も数えきれないほど聞きましたし、ようやく昔お世話になったシスターたち、そしてマザー・テレサに恩返しができたという気がしています。カードに使っている写真は、カルカッタを離れる日の一番最後のミサのときに撮影してもらったものです。
 こんな取るに足りない罪びとのわたしがマザー・テレサに呼び出され、司祭への道を選んでここまでやって来れたというその恵みを思うとき、大きな喜びと温もり、力が心の底から湧き上がってきます。この恵みこそ、これからの司祭としての人生の揺るがぬ土台となっていくでしょう。この土台にしっかり足を下しながら、来年も「神のより大いなる栄光のため」全力を尽くしたいと思いますので、どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
※追伸…今日、カルカッタから届いたクリスマス・カードで、16年前にとてもお世話になったSr.プリシラが帰天されたとの知らせがありました。今年3月、帰り際にわたしを呼び止め、「これが最後になると思うから」と祝福を願った姿が思い出されます。彼女を含め、今年だけでカルカッタに住むシスターが7人帰天したとのこと。彼女たちがいま天国にいることは間違いないと思いますが、修道会創立の初期からマザー・テレサの後に従い、貧しい人々の中におられるイエス・キリストに全てを捧げ尽くした彼女たちの生涯を改めて思い起こし、しっかり胸に刻みたいと思います。どうぞ、みなさまお祈りください。