写真で振り返る2011年・フィリピンからインドへ(1-3月)

写真で振り返る2011年・フィリピンからインドへ(1-3月)

1年間に頂いた恵みを、写真で振り返ってみたいと思います。2011年は、フィリピンでのスラム街実習から始まりました。2箇所のスラム街に合わせて1ヶ月ほど滞在しましたが、まずは1ヵ所目のスラム街、ナボタスの様子です。ここは海上に組み上げられた足場の上のスラム街。足場の上を、子どもたちが元気に走り回っていました。

続いて2ヵ所目のスラム街です。ここは、かつてスモーキー・マウンテンとして知られた巨大なゴミの山の近くに広がるスラム街。現在でも人々は資源ごみを拾い集めて生活しています。

劣悪な衛生状況、希望を見出すのがとても困難な経済状況の中にあっても、子どもたちは元気いっぱいです。自分を自分以上のものに見せようとしてあがいたり、先のことを心配して絶望したりせず、ありのままの今を一生懸命に生きている子どもたち。彼らの笑顔こそ、貧しさの中に隠された宝です。

ゴミの山での仕事を終え、家路についた人々のシルエットです。こんな場所でも、家族の温もりや仲間たちとの絆さえあれば、人は幸せに生きていくことができるようです。

3月初旬、フィリピンでの第三修練(イエズス会の最後の養成プログラム)を無事に終えて、古巣であるインド・カルカッタに向かいました。カルカッタの街には、今も人々の熱気と力が躍動しています。

今回は「神の愛の宣教者会」本部修道院(マザー・ハウス)の朝のミサやシスターたちの告解を一手に引き受け、司祭として「神の愛の宣教者会」に御恩返しすることができました。時間があるときは、知的障害を負った方々や病人の世話をする施設「プレム・ダン」に行ってボランティアもしました。

3月11日、わたしはいつもと同じように午前中「プレム・ダン」でボランティアをし、サダル・ストリートで昼食をとっていました。そこに、アメリカ人のボランティアたちがやって来て、日本で何か大変なことが起こっているようだと知らせてくれたのです。テレビをつけると、津波が家々や人々を押し流していく信じられないような光景が映し出されていました。ボランティアたちは日本のために折鶴を作り、マザー・テレサの墓の上にのせて懸命に祈りました。