フォト・レポート(107)被災地はいま4〜大船渡・教会の仲間たち

被災地はいま4〜大船渡・教会の仲間たち

海から数百メートルの距離にある大船渡教会ですが、高台にあるために今回は大きな被害を免れました。そもそも大船渡教会は、1960年のチリ地震津波で53名もの犠牲者を出す被害を受けた大船渡の町に、ベタニア会の神父様方が支援活動のために入ったところから出発しています。神父様方は、次に大津波が来ても大丈夫なようにこの場所を選んだそうです。この写真で、その選択が賢明なものだったことがお分かり頂けるでしょう。

大船渡教会の畳敷きの聖堂です。毎朝、6時から聖体礼拝が行われ、7時からミサが行われています。右端で祈っているのは、高松教区長の諏訪榮治朗司教様です。

津波の前、この教会は日曜日のミサの出席者が20名程度でした。しかし津波のあと、苦境に陥ったフィリピン人女性たちが拠り所を求めて教会に集まり始め、ミサの出席者は50人以上に増えたとのこと。現在、インドネシア人のハルノコ神父様とフィリピン人のギャリー神父様が彼らの世話に当たっています。ちなみに、主任司祭(代行)は京都教区の森田神父様、信徒会長はケセン語聖書で有名な山浦玄嗣先生です。

この日は、教会の信者さんたちと一緒に、津波で傷んだために伐採された木の後片付けをしました。一緒に行った高校生たちも、カリタスJAPANの黄色いベストを着て頑張っています。

津波によって大きく削られた教会の南斜面のすぐ上に、フキノトウが咲いていました。まだ寒さが厳しい岩手にも、春がすぐそこまで近づいています。

大阪教会管区が設立した被災地支援拠点、大船渡ベース「地の森いこいの家」です。ここに司祭1人、シスター1人、大阪や名古屋など各地からの信者さんたち2人がスタッフとして常駐し、ボランティアの世話をしてくれています。

大槌と違ってベースの近隣にも仮設住宅などにたくさんの方が住んでおられるので、大船渡ではベース自体が日中「お茶っこサロン」になっています。神戸からのボランティアの1人が風船で動物や花を作ると、子どもたちは大喜びしていました。