フォト・ライブラリー(288)ソウル訪問記2〜西江大学での初ミサ

ソウル訪問記2〜西江大学での初ミサ

明洞大聖堂で行われた叙階式の翌日、韓国におけるイエズス会の最大の宣教拠点、西江(ソガン)大学で行われた初ミサに参加させてもらいました。西江大学は今から60年ほど前に創立された新しい大学ですが、韓国の大学の中で日本の上智大学とちょうど同じくらいの地位を占めていると聞きました。学生数も1万人で、だいたい同じくらいです。

大学の構内には、イエズス会創立者である聖イグナチオ・デ・ロヨラと、西江大学の創立者であるイエズス会員ゲッベルト神父の像が建てられています。ゲッベルト神父はドイツ人ですが、初め日本管区で働き、そのあと韓国に渡って大学を創立しました。

この初ミサはこれまでの養成を支えてくれたイエズス会後援会の皆さんのためのものでした。韓国管区は全国に15000人の会員を持つ後援会を持っており、後援者の皆さんの献金が会員たちの養成を支えています。ミサ中、新司祭たちを見つめるオモニ(お母さん)たちの温かいまなざしに感動しました。

西江大学の一角にある、管区本部とイエズス会センターです。韓国管区はまだ管区に昇格したばかりで総数140人ほどの小さな管区ですが、平均年齢は46歳ととても若く、活力に満ちています。2009年に完成した6階建てのイエズス会センターは、上の3階が黙想の家になっており、屋上でミサも立てられるそうです。

大学のキャンパス・ミニストリー・オフィスで、上智大学神学部で3年間ともに机を並べて勉強した大親友のペ・ヨンギル神父と再会しました。2009年に叙階され、今は西江大学キャンパス・ミニストリーの責任者です。もともと建築家で、画才に恵まれたぺ神父、最近出版した詩画集が大人気とのこと。過度の競争社会になりつつある韓国社会で傷ついた若者たちの心を癒すため、アート・テラピーにも取り組んでいます。まさに、イエズス会韓国管区の若手のホープと言っていいでしょう。

キャンパスやソウルの街のあちこちに、ヤブカンゾウのような花が咲いていました。近いせいか、咲いている花もだいたい日本と同じようです。

キャンパスで見かけた、韓国風の聖像をいくつか紹介したいと思います。左は黙想の家の聖堂で見つけた十字架。斜め上から見たところのようです。右は韓国風のピエタ。度重なるキリスト教迫害の中で、きっとこのような光景が何度も繰り返されたことでしょう。

イエズス会センターの1階ロビーで見つけた、チマ・チョゴリを着た聖母と幼子イエスの像。とても優しい表情が、初ミサで新司祭たちを見つめていたオモニたちの表情と重なりました。

これはキャンパスの一角に置かれた聖母子像。大理石ではなく、御影石で彫られています。信者さんたちのあいだで大人気だと聞きました。