フォト・ライブラリー(309)台風の一日

台風の一日

9月30日、超大型の台風17号紀伊半島に上陸しました。暴風雨圏に巻き込まれたカトリック六甲教会の一日を写真で振り返りたいと思います。お昼前、ちょうどミサが終わったあたりから風が強くなり始めました。門の脇の桜が大きく揺れ動いています。

ちょうどこの日は、南三陸町で長期にわたって支援活動を続けておられる神戸出身のご夫婦、堤さんと宇根さんをお招きしてお話を聞く日でした。暴風雨にも負けず、たくさんの方が集まって下さいました。中高生たちも別に勉強会をしていましたが、そちらにもたくさんの参加者が。台風が来ると、はりきって登校した子ども時代を思い出しました。

お昼を過ぎて、風はどんどんひどくなっていきました。1時くらいまでにはすべての集まりが終わり、教会から人影がなくなりました。

夕方5時過ぎ、風雨が少し弱まり始めた所で、六甲山の向こう側から黄色い光りが差し始めました。台風の日の夕暮れには、とても不思議な夕焼けが現れることがあります。

窓から外を覗くと、西の方から小さな赤い雲が飛んでくるのが見えました。かなりのスピードで飛んでくる、大小さまざまな赤い雲。やがて、そら一面が赤い光りで満たされていきました。

教会の鐘楼の上に現れた、幻想的な夕焼け空です。ほんの数分だけでしたが、何か別の世界への入り口が開いたようなとても不思議な光景でした。

この日は、ちょうど「中秋の名月」の日でもありました。この台風では無理かなと思いつつ空を見上げると、うっすらかかった雲の向こうに煌々と輝く満月が。

やがて雲の合間から、一点の曇りもないパーフェクトな「中秋の名月」が姿を現しました。台風一過の澄み切った空が、いつもより月を美しく見せてくれているようでした。暴風雨のせいだけではなく、大自然の脅威が運んできた自然の美しさに心が高揚させられた一日でした。いつもと違う世界の美しさを見せてくださった神に感謝。
★「中秋の名月」の写真、こちらから大きなサイズでご覧になれます。⇒  The Harvest Moon in 2012.PDF 直