フォト・ライブラリー(310)十六夜の幻想

十六夜の幻想

夜、修道院で食事をして教会に戻ってくると、自室の窓の外の雲が妖しく光っていました。さっそく屋上に出てみると、その妖しい光りの正体は十六夜(いざよい)の月でした。

しばらく空を見上げていると、雲の切れ間から十六夜の月が姿を現しました。まるで、雲の中にぽっかりと窓が開いたようでした。

雲のあいだから見え隠れする十六夜の月から、何か不思議な力を感じました。その力にすっかり幻惑されてしまい、時間を忘れて月に見とれました。

昔話では、月夜の晩にタヌキやキツネに化かされる話が出てきますが、月の力が影響しているのかもしれません。教会の庭にもよくタヌキが出るので、秋の晩は化かされないように気をつけないと。

そう言えば、英語でもちょっと頭がおかしいことをlunaticと言いますね。お月様には、人の心を高ぶらせ、正常な判断を失わせる力があるのかもしれません。

やがて雲が途切れて、煌々と夜空を照らす十六夜の月が姿を現しました。まるで太陽のような輝きです。

これが、雲のあいだから姿を現した十六夜の月。昨日の十五夜の月と比べると、右側が少し欠け始めているのが分かります。欠け始めるとクレーターも目立ちますね。十六夜という名前もいいし、心がわくわくするひと時でした。すばらしいショーを見せてくれた神に感謝。