初秋の明日香村散策〜石舞台とその周辺
稲淵から自転車で石舞台古墳へと向かいます。古墳のすぐ近くまで、このような棚田が広がっていました。黄金色の田んぼと、それを縁取る鮮やかな彼岸花の赤がとても印象的でした。
木立の向こうから姿を現した石舞台古墳。古代へのロマンをかき立ててくれる、とても明日香村らしい場所です。
蘇我馬子の墓とも言われる石舞台。この巨大な岩は、これまでに一体どんな光景を見てきたのでしょうか。
石舞台古墳の周りでは、赤い彼岸花と同じくらい白い彼岸花をたくさん見かけました。白は突然変異かなと思っていましたが、どうやらそうでもないようです。
自転車をこいでいると、道の傍らでシオンの群落をよく見かけました。とても秋らしい姿のキク科の花です。
シオンというとユダヤ教的な響きがありますが、漢字では紫苑。きっと、花の色と咲き方からつけられた名前でしょう。蝶々が一匹、花の蜜を吸っていました。
蕎麦の畑では、真っ白な花が満開でした。蕎麦の花の白と彼岸花の赤も、なかなか似合いますね。
野焼きの白い煙が、田んぼの上にたなびいていました。山里の秋ですね。
田んぼの上を飛び交う無数のアキアカネ。一匹が目の前で柵の上に止まりました。
民家の軒先にコスモスが咲いていました。さわやかな秋風に、愛らしいピンクの花が揺れています。
これもやはり秋の風物詩、ススキです。逆光を浴びて金色に輝いていました。
石舞台古墳のすぐとなりの広場に、見事な枝ぶりの萩が何本も植えられていました。これだけでも十分、観光名所になるくらいです。
秋の明日香村で、やはりここは「国のまほろば」だなぁと実感しました。上代から綿々と続く人々の営みが、自然との見事な調和のうちに作り出した景色なのでしょう。人々の歴史を見守り続けた神の存在を、確かに感じた一日でした。