年の黙想in長束〜後半
お天気がとてもよかった日の午後、ちょっと足を延ばして武田山へ登ってみました。修道院から山頂まで、ゆっくり歩いて2時間ほどの道のりです。武田山の山麓には、日本の原風景のような段々畑が広がる集落があります。
民家の軒先に百日紅が咲いていました。丸い花房が秋のさわやかな風にそよいでいます。
見事に育った栗の実。中から大きな栗の実がのぞいています。里山の実りですね。
こちらはザクロ。ぱっくりと裂けた果肉の中では、まるで宝石のような種がきらきらと輝いていました。
集落を抜けると、うっそうと木が生い茂る山道に入ります。1時間あまりの登山です。
森の木々も、すでにところどころで色づき始めていました。太陽の光を浴びて、とてもきれいです。
山頂に到着しました。この山は室町時代にこのあたり一円を治めた領主、武田氏の居城となっていました。戦国時代には毛利元就が攻め落とし、ここに住んでいたこともあるそうです。まさに天下の眺めですね。
修道院のすぐ隣を流れる山本川。ほとりでは秋の草花が満開を迎えていました。
清らかな流れのほとりに咲いたミゾソバの花。地味ですが、とても愛らしい花です。
オシロイバナも咲いていました。雑草とひとくくりにされてしまうような花の一つではありますが、こうしてみるとなかなかです。
修道院の樫の木の下に、たくさんのどんぐりが落ちていました。日本の秋は、まさに実りの秋。とても豊かです。
黙想の最終日、お昼ご飯を食べて修道院を出るとき、空を見上げると大きな彩雲が出ていました。まるで天国への門が開けたようで、心が上へと引き上げられていく気がしました。日常生活に戻っても、心を「神の国」にしっかりと向けて歩んでいきたいと思います。