冬の大阪城公園〜野鳥たちの世界6
環状線の大阪城公園駅を出て、3分も歩くとこんな森の中に出ます。大都会の真ん中にぽつんと残された大自然、大阪城公園の野鳥たちをご覧ください。
まず出会ったのはヒヨドリ。食害をもたらす可愛げのない鳥というイメージがありますが、こうして冬毛をいっぱいに膨らませて丸くなっている姿を見ると、それなりにかわいらしいものです。
別の木では、スズメたちが休憩中。日差しの中で真ん丸になって、気持ちよく昼寝をしているのでしょうか。そのまま置物にしたいくらいの愛らしさです。
シジュウカラが、地面に降りて餌を探していました。降り積もった落ち葉の下には、きっとたくさんのごちそうが隠れていることでしょう。
髪型がちょっとおしゃれなアトリは、シベリアから飛んでくる渡り鳥。よく見ると、確かにロシア風の顔立ちかも。
この日は、公園のあちこちでマヒワの群れを見かけました。スズメに似ていますが、緑がかった黄色い羽がおしゃれです。
鳥を探しながら、森の中の道を歩いてゆくと、どこかからキツツキ特有の「トトトトトーン」と木を叩く音が聞こえてきました。
「コゲラかな?」と思って見上げると、そこには、これまでに見たことがない鳥の後ろ姿が。
なんと、そこにいたのはアカゲラでした。信州の山奥ならいざ知らず、こんな大都会の真ん中にどこから飛んできたのか。
こんなに近くで見るのは生まれて初めてだったので、木から木へと飛び回るアカゲラの後をしばらく追跡することにしました。驚いたのは、くちばしの鋭さと力強さ。深い穴が、次々と木にうがたれていきました。あんなに力任せに突いて、脳震盪を起こさないのが不思議です。
「市民の森」には今日も、かわいらしいキクイタダキの姿が。わずか5gの体重で、よく頑張ります。
梅林では、蕾が膨らみ始めた紅梅の枝に、ジョウビタキの雄がちょこんと止まっていました。中国からの渡り鳥なので「ニーハオ」と声をかけてみました。
重厚な石垣が、天下の城塞の雰囲気を醸し出す大阪城。大都会の真ん中に、これだけ豊かな自然を残してくれたことも、豊臣秀吉の功績の一つと言っていいかもしれません。お蔭で、今年の冬は鳥たちの命に触れ、大きな力をもらっています。まさに、「空の鳥をよく見なさい」です。