祈りの小箱(14)『悪意への対処法』


『悪意への対処法』
「いつも神の御旨とぴったり一致していなさい。神とのあいだにわずかでも隙間ができると、そこにあらゆる悪い思いが入り込みます。」
 以前に紹介したマザー・テレサのこの言葉は、さまざまな場面に当てはまる、まさに人生の極意のような言葉です。これを、隣人の言動にこめられた悪意に当てはめたら、どんなことが言えるでしょう。
 まず、心の中に相手の言葉にこめられた悪意が入り込んでしまい、怒りや憎しみで心がかき乱されたとき、この原則を思い出すことが大切です。今まさに、心の隙間に悪意が入り込み、暴れはじめたのだと気づきましょう。
 そんなときに相手のことを考えると、怒りや憎しみはますますひどく燃え上がります。相手の放った小さな悪意が、わたしたちの心を燃やし尽くしてしまうほど大きくなることさえあるくらいです。相手のことを考えるのはいったん止めて、自分の心になぜ隙間ができたのかを考えるようにしましょう。
 その隙間は、もしかするとわたしたち自身の生活の乱れから生まれたのかもしれません。自己中心的な生活で心が歪み、そこに隙間ができた可能性があります。あるいは、日々の単調な生活の中で、人生の意味を見失いかけているのかもしれません。満たされない心の隙間に、悪意が入り込んでしまった可能性があります。その他にも、人間の心にはさまざまな理由で隙間ができますから、それを自分なりにさぐりあててみましょう。そして、もし自分に落ち度があれば、それを素直に悔い改めましょう。
 最後に、喜びと感謝でその隙間を埋めてしまいましょう。わたしたちの生活の中には、怒ったり憎んだりするべきことよりも、喜んだり、感謝したりするべきことの方がうんとたくさんありますから、それらを見つけるのはさほど難しいことではないと思います。あふれるほどの喜びと感謝で、心の隙間をすっかり埋めてしまいましょう。
 隙間がなくなれば、もう悪意がはびこる余地はありません。心に溢れる大きな喜びと感謝で、相手の小さな悪意を包み込むことさえできるようになるでしょう。
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