祈りの小箱(21)『信仰を生きる』〜ベネディクト16世のメッセージに基づいて


『信仰を生きる』〜ベネディクト16世のメッセージに基づいて
 「日々の生活の中で信仰を生きる」という言葉は、まるで決まり文句のようによく使われる言葉ですが、漠然としていて具体的にどういうことなのかがよく分からないという方も多いようです。名誉教皇ベネディクト16世は、2月27日にサン・ピエトロ広場で行われた一般謁見のメッセージで、「神への信頼」ということに強調点を置きながら「日々の生活の中で信仰を生きる」ことについて語りました。今回のカードは、ベネディクト16世がそのときに語った言葉を要約したものです。
 「信仰」という言葉を誰にでもわかる日常生活の言葉に置き換えるなら、「信頼」という言葉が一番近いのではないでしょうか。信仰とは、神への信頼に他ならないからです。神を信頼している人は、どれほど大きな危険が迫っても動揺することがありません。困難なときこそ、神が必ず守って下さると確信しているからです。自分自身の力に頼っている人は、「もし失敗したらどうしよう」と将来のことを心配します。ですが、ただ神の力だけに頼っている人には、将来の心配はありえません。神が失敗することは絶対にないからです。
 あらゆる心配は、神への信頼の不足から起こってくると言っていいかもしれません。自分の力に頼る気もちがある限り、わたしたちは危険におびえ、将来の失敗を心配し続けなければならないのです。信頼の拠り所、人生の土台を自分の力から神の力へと完全に移すときにこそ、わたしたちは安らかな気持ちで日々を過ごすことができるでしょう。母親を信頼して、その腕の中ですやすや眠る赤ん坊のようにやすらかな気持ちで毎日を生きていくこと、それが「日々の生活の中で信仰を生きる」ということなのだろうと思います。
★このカードはこちらからPDFでダウンロードできます。どうぞお役立てください。⇒ 『信仰を生きる』.PDF 直
ベネディクト16世のメッセージの抄訳は、こちらからご覧になれます。⇒ http://d.hatena.ne.jp/hiroshisj/20130228/1362046624