祈りの小箱(31)マザー・テレサ『ありのままの自分』


マザー・テレサ『ありのままの自分』
 神様の大きな愛の中で、ありのままの弱い自分を受け入れることができた人ほど強い人はいません。なぜなら、その人をお世辞や褒め言葉によって思い上らせることができる人は誰もいないし、逆にその人を誹謗中傷によって傷つけることができる人もいないからです。
 神の前でありのままの自分、多くの欠点を抱えた弱い自分を受け入れている人は、自分の身に余るような褒め言葉を聞いても思い上ることがありません。それは事実に反するとはっきり知っているからです。ところが、ありのままの弱い自分を受け入れられない人は、過分な称賛をうけると、自分は優れたものであるとすぐに思い込んでしまいます。自分の欠点を覆い隠してくれる過分な称賛は、その人にとって好都合なのです。
 神の前でありのままの弱い自分を受け入れている人は、どんな誹謗中傷を聞いても傷つくことがありません。指摘されたことが事実であれば、素直に事実として受け入れるし、事実でなければ「神がすべてを知っておられる」と思ってまったく気にしないからです。ところが、ありのままの弱い自分を受け入れられない人は、指摘されたことが事実であったとしても深く傷ついてしまいます。自分に対する確たる自信もありませんから、事実でないことを指摘されればますます傷つくでしょう。
 マザー・テレサは、この短い言葉の中で、そのような人間の心の動きを見事に表現しています。神様の大きな愛に信頼してありのままの弱い自分を受け入れた人だけが、誰の言葉にも左右されず、神の愛の中をまっすぐに歩み続けることができる。そのことを、しっかり胸に刻みたいと思います。
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