祈りの小箱(36)福者コルカタのマザー・テレサ『道の途中で』


福者コルカタマザー・テレサ『道の途中で』
 マリア様の月である5月の終わりに当たって、マザー・テレサが毎日、唱えていた祈りを1つご紹介したいと思います。1日の仕事が始まる前に、本部修道院中庭の聖母像の前に集まってシスターたち全員で唱える『道の途中で』という祈りです。
 マザーのマリア様に対する愛情は、なみなみならぬものがありました。出かけるときにいつもロザリオを手に握りしめていましたし、口癖のように「マリアを通してすべてをイエスに」と言っていたものです。それだけではありません。彼女が創立した「神の愛の宣教者会」全体がマリア様に捧げられていますし、その証として、シスターたちは全員、マリアの名を修道名に入れています。
 マザーがどのような意味でマリア様を慕っていたのかが、『道の途中で』の祈りからよく分かります。マザーは、聖母マリアを、人生の道のりの同伴者のように考えていたのです。さまざまな困難な試練に直面するとき、わたしたちはイエスの姿を見失い、道に迷ってしまいがちです。ですが、万が一イエス様の姿を見失ったとしても、わたしたちの傍にはいつも優しいお母さん、マリア様がいて下さる。マリア様は、道に迷って泣いているわたしたちの手を取り、一歩一歩導いてイエスのもとに連れて行って下さる。だから何も心配することはない。マザーは、そんな風に思っていたのです。
 言語を絶するほど厳しい現実の中で生きる貧しい人々に寄り添い続け、彼らの中で苦しみ続けているイエスを愛し抜くために、限りなく優しいお母さん、マリアの励ましと慰めはなくてはならないものだったと言ってもいいでしょう。わたし自身も、司祭職の厳しい道のりで、いつもマリア様がそばにいてほしいという思いから、このブログのタイトルを『道の途中で』としました。皆さんも、どうぞこの祈りを一緒に唱えてみて下さい。
★このカードは、こちらからダウンロードできます。どうぞお役立てください。⇒ マザー・テレサ「道の途中で」.PDF 直