祈りの小箱(39)福者コルカタのマザー・テレサ『傲慢のしるし』


福者コルカタマザー・テレサ『傲慢のしるし』
 与えられた仕事がうまくいかない、スラム街の人たちとトラブルを起こしてしまった、そのようなことでがっかりしているシスターたちに、マザーはこう言いました。「何かに失敗してがっかりするなら、それは傲慢のしるし。あなたはまだ、自分の力で何かできると思っているのです。」
 がっかりするのはなぜでしょう。それは、心のどこかに、自分の力への期待があるからです。自分にはそれができたはずなのに、どういうわけかできなかった。そう思うからこそ、わたしたちはがっかりし、「できたはずなのに」と自分を責め続けるのです。
 がっかりして自分を責めていても、何もいいことはありません。もしうまくいかなかったのなら、むしろ自分はそれができなかったということを率直に認め、神に助けを願うべきでしょう。神から与えられた使命を果たそうとする者には、そのような覚悟が必要だと思います。何度も失敗を繰り返し、謙遜を学ぶ中で、わたしたちはいつかその使命を成し遂げるのにふさわしい道具へと磨き上げられていくことでしょう。
 何かにがっかりするたびごとに、心のどこかに傲慢がないか、「自分にはできたはず」という思い込みがないかを探してみましょう。そして、よりよい道具になっていくことができるよう、神に助けを願いましょう。
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