福者コルカタのマザー・テレサ『命のパン』
「あなたたちは、なぜ毎日、スラム街の過酷な状況の中で働き続けることができるのですか？」そう尋ねられたとき、マザー・テレサはこう答えました。マザーは、ご聖体の中にイエスの命が宿っていることを確信し、心からの感謝を込めてイエスの命を頂いていたのです。マザーは、イエスの命を生き、イエスの力で活動していたと言っていいでしょう。
ご聖体を受けるときには、神の愛をしっかり受け止めて感謝する心が何より大切だと思います。食事をするときのことを考えてみれば分かるでしょう。食事をするとき、仕事のことや勉強のことなどを考えて食べれば、お腹は一杯になりますが、それだけのことです。しかし、作ってくれた人の愛情を思い、食材を育ててくれた人たちの働きを思い、この食事のために命を差し出してくれた植物や動物のことを思いながら感謝して食べるなら、お腹だけでなく、心も一杯に満たされるでしょう。食べ物に飢えていたお腹だけでなく、愛に飢えていた心も満たされるのです。
ご聖体を頂くときも同じです。何か他のことを考えながら機械的に頂いても、ご聖体はご聖体ですから、確かにわたしたちはイエスの命を体に受けることができるでしょう。ですが、それでわたしたちの心が満たされることはないだろうと思います。差し出されたイエスの命に心から感謝して食べるときにだけ、わたしたちはイエスの愛を受け、イエスの命を生きることができるのです。いま差し出されているものはイエスの命そのものなのだと気づき、イエスの愛に心から感謝しながらご聖体を頂きたいと思います。
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