祈りの小箱(60)『相手の幸せを第一に』


『相手の幸せを第一に』
 先日、バチカンで行われた「シリア、中近東、そして全世界の平和のための祈りの集い」で、フランシスコ教皇は集まった10万の人々に次のように語りかけました。
「人間が自分のこと、自分の利益のことだけを考え、自分を世界の中心に置くとき、支配や力という偶像の虜であることに甘んじるとき、自分を神の位置に置くとき、すべての関係は破壊され、すべてがだめになります。そして、暴力や無関心、紛争の扉が開かれるのです。」
 人間が自分の利益だけを考え始めるとき、相手を支配しようとするとき、自分を神のように崇めさせようとするとき、すべての関係が破壊される。そして、戦争が始まるということでしょう。これは、戦争だけでなく、あらゆる人間関係に当てはまることだと思います。自分の幸せのことばかりを考え、そのために相手を利用しようとするとき、家族、友人、同僚など、あらゆる人々との関係が壊れ始めるのです。
 逆に、お互いが自分の幸せよりも相手の幸せを第一に考え続ける限り、その関係はいつまでも決して終わることがないでしょう。なぜならば、相手の幸せのためならば自分を犠牲にしても惜しくないと思えるほどの愛こそが、わたしたちを永遠に結びつける絆だからです。人と人とを永遠に結びつけることができるのは、自分を犠牲にしても相手を幸せにしたいと願う愛だけなのです。大切な家族、友人、同僚などあらゆる人々との関係をいつまでも続けてゆきたいならば、自分の幸せために相手を利用したいという誘惑に打ち勝ち、愛を守らなければなりません。そのために必要な力と勇気、思慮深さの恵みを心から神に願いたいと思います。 
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