祈りの小箱(68)『思いの優先順位』


『思いの優先順位』
 あれもしたい、これもしなければと、わたしたちの心には様々な思いが湧き上がってきます。困るのは、その多くが互いに矛盾していること。「痩せたい、けど食べたい」というのは一番わかりやすい例だと思いますが、その他にも「仲直りしたい、でも謝るのは癪だ」、「結婚したい、でも自由を束縛されたくない」、「ばりばり働いて出世したい、でも家族との時間も大切にしたい」などのさまざまな思いが、複雑に入り組み、何層にも重なってわたしたちの心を作り上げていると言っていいかもしれません。
 手当たり次第に思いを実行して心が動いてゆくうちはいいのですが、思いが複雑に絡み合ってしまうと心が動かなくなってしまいます。自分が何をしたいのか、何をすればいいのかが分からなくなってましうのです。そんなときにお勧めなのが、このカードで紹介した方法。複雑に絡み合った思いを解きほぐすために、何よりも大切なのは、入り乱れる思いの中から一番大切な思い、自分の一番の望みを見つけ出すことです。自分の心と静かに向かい合い、一時的な衝動や感情ではない、自分の真実の望みを見つけ出すのです。
 真実の望みは、「痩せたい」とか、「結婚したい」、「出世したい」というような思いよりももっと深い所にあります。なぜ痩せたいのか、なぜ結婚したいのか、なぜ出世したいのか、よく考えてみましょう。考えを突き詰めていったとき、一番最後に出会うのが真実の望みです。その望みは、わたしたちの心の一番奥深い所にあって、いつもわたしたちに呼びかけています。「正直で、まっすぐな生き方をしたい」、「人のために役に立ちたい」、「誰かから受け入れてもらいたい」など、心の一番奥深くから響いてくる、自分の真実の望みの声を聞きとりましょう。
 真実の望みの声さえ聞き分けることができれば、あとは簡単です。その望みを実現するために役立つ思いは、役に立つ順序で実行してゆけばいいでしょう。役に立たない思いは、自分の本当の望みではないのですから手放してしまえばいいのです。そうしていくうちに、心はすっきりと整理されます。心を整理するために、思いを無理やりに消す必要はないのです。思いに優先順位さえつけられれば、本当の望みのために役だだない思いは自然とどこかに消えてしまい、本当の望みのために役立つ思いだけが残されます。すっきり整理された心で、本当の望みに向かってまっすぐ進んでゆけたらいいですね。 
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