祈りの小箱(92)『分かち合う愛』


『分かち合う愛』
 どんなにお金を持っていても幸せになれない。お金を持てば持つほど不幸になる。そんなことが実際にあります。たとえば、お金持ちであるがゆえに、金銭を巡って親子や親せきのあいだで争いが絶えない。いつも財産を守ることばかり考え、財産をなくすことへの恐れに囚われて気持ちが休まらない。そんなことがあるのです。どんなにたくさんの財産を持っていても、それで心まで豊かになるわけではありません。むしろ、財産があるゆえに心をすり減らし、心を貧しくしてしまうことがあるのです。
 では、どうしたら財産と心の豊かさを両立させることができるのでしょう。その答えは、「分かち合い」にあると思います。多い少ないにかかわらず、手に入れたものを人々と分かち合うなら、そこに愛が生まれます。その愛が、わたしたちの心を満たし、豊かにしていくのです。スラム街に住み、日々の食べ物にさえこと欠く人たちが、互いに助け合いながら幸せに生きている。そんなことが起こるのは、その人たちの心が愛で豊かに満たされているからに他なりません。
 独り占めにし、自分のためだけに使おうと思うから、争いが起こったり、不安や恐れに駆られたりするのです。心がすり減り、貧しくなっていくのです。財産は、そもそも貧しい人々と分かち合うために神様から与えられたもの。そのことを忘れて、間違った使い方をするとき、わたしたちはどんどん不幸になっていく、と言ってもいいでしょう。正しく使うとき、人々と分かち合うために持つとき、財産は、争いや妬み、憎しみなどの罪の源から、神様から与えられた愛し合う使命の一部に変わります。心を豊かにするのは、物ではなく、愛だということ。すべての物は、分かち合うため、愛し合うために神様から与えられたものだということを忘れないようにしたいと思います。
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