祈りの小箱(111)『きっぱりどちらか選べれば』


『きっぱりどちらか選べれば』
 「食べたい、でも痩せたい」というのは、わたしたちの心の中にある矛盾した思いの代表格でしょう。痩せてかっこよく、きれいになりたいのは山々だけれども、おいしそうなものを見るとつい食べ過ぎてしまう。いまのままではよくないと分かっていながら、いつまでも理想的な自分になることができず、自己嫌悪を募らせていく。それは、人生の苦しみの一つと言っていいかもしれません。
 似たようなことは、他にもよくあります。独りぼっちでいるのはさびしいので結婚したい。でも、誰かが近くにいることで自由を束縛されるのはいやだ。結果として、いつまでも結婚することができず、孤独の苦しみが募る。すべての人を愛し、誰とも仲よく幸せに暮らしていきたい。でも、あの人だけは絶対にゆるせない。結果として、憎しみや怒りが生活を蝕み、いつまでも幸せになることができない。わたしたちが味わっている苦しみの多くは、このように自分自身の中にある矛盾した思いが生み出しているもののように思えます。
 もし苦しみの原因が矛盾した思いであるならば、解決法はとてもはっきりしています。矛盾をなくし、思いを一つにすればいいのです。本当にしたいのはどちらなのかを選べばいいのです。本当にしたいのはどちらなのか。痩せることなのか、食べることなのか。結婚することなのか、自由を謳歌することなのか。愛することなのか、憎むことなのか。自分の人生にとって本当に大切なのはどちらなのか。自分の幸せはどちらにあるのか。よく考えて、どちらかをきっぱりと選びましょう。そうすれば、悩みは解決するはずです。
 「あれも欲しいけれども、これも欲しい」と矛盾する2つのものに手を伸ばし、どちらも握りしめて離さなければ結果ははっきりしています。心が引き裂かれてしまうのです。神に自分のすべてを捧げ、幸せで充実した日々を過ごしたいけれど、あれは手放したくない、これは手放せない。そのような矛盾が、私たちの心を引き裂き、苦しみを生み出してゆきます。本当に望んでいることはどちらなのか、きっぱり選んで手放すことができるよう、神様の前で祈りたいと思います。
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