『使命を引き受けるからこそ』
引き受ける前はとても無理と思えた仕事でも、実際にやってみたらなんとかなった。そんな体験がある人は多いでしょう。仲間たちが予想以上に協力してくれたり、思いがけない支援があったりして、やっているうちになんとかなってしまうのです。
何より不思議なのは、仕事を引き受けることで自分にこれまでなかった力が与えられることです。この仕事を待ってくれている人たちのこと、この仕事によって助けられる人たちのことを思うと、どこからともなく力が湧き上がってきて、これまでできなかったことができてしまうのです。人前で話すのが苦手な人はみんなの前で仕事の必要性を説明する言葉を、人とのつながりをつくるのが苦手だった人はたくさんの人の力を集めるための社交性を、リーダーシップをとるのが苦手だった人はみんなの意見をうまく調整する力を与えられ、不可能に見えた仕事が少しずつ前に進んでゆく。そんなことが、実際に起こります。
それは、愛の力と言ってもいいかもしれません。何としても、待ってくれている誰かのため、苦しんでいる誰かのためにこの仕事を成し遂げなければと思うと、心の底からやる気が湧き上がってくるのです。愛の力によって、これまでに隠れていた自分の素質が解き放たれるということもあるでしょう。自分のためにはうまく使えなかった力でも、人々のためならうまく使いこなせるということが、確かにあります。
いずれにしても、「わたしにはそんなことをする力はない」ということは、仕事を断るための言い訳にならないのです。それが、神様から与えられた使命、愛の使命であるならば、それを成し遂げるための力は必ず与えられます。力があるから使命を与えられるのではなく、使命を引き受けるからこそ力が与えられるのです。わたしたちはただ、勇気を出して引き受ければいいのです。
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