祈りの小箱(143)『天国への入り口』


『天国への入り口』
 埼玉の農家に生まれたわたしは、子どものころ、テレビに出てくる東京の洗練された、文化的な生活にあこがれていました。地下足袋と作業ズボンで歩いている父親や本棚がない家を恥じ、東京の暮らしの方が幸せに違いないと思い込んでいたのです。大人になってからも、子ども時代に心の中に沁みこんだ都会への憧れが無意識のうちに顔を出すことがありました。
 ですが、キリスト教を信じたいまでは、幸せになるためには都会も田舎も関係がない。天国からの距離は、田舎も都会も、世界中どこでもまったく同じだと考え直すことができるようになりました。神様の愛を信じ、喜びと感謝に満ちて生きられるならば、世界中どこでもわたしたちは幸せに生きることができるのです。見た目の華やかさやかっこよさは、関係がありません。そのようなものがあったとしても、心が愛で満たされることがないなら、いつも不安や恐れにとりつかれいるなら、そのような生活は決して幸せとは呼べないのです。
 大切なのは、どこに住んでいたとしても、神様としっかり結びついてることです。神様から与えられた使命を日々、精一杯に生きていることです。その使命は子育てや家事かもしれないし、会社での仕事、あるいは教会での奉仕かもしれません。何であるにせよ、神様の愛と固く結ばれ、神様から与えられた場所で精一杯に生きるなら、どんな場所でも喜びと感謝に満たされて生きることができるのです。世界中どこであれ、わたしたちが生きているこの場所こそがわたしたちにとっては天国への入り口。そのことを忘れず、与えられた場所で天国への入り口を開きたいと思います。
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