祈りの小箱(148)『真理の言葉』


『真理の言葉』
 正しさと真理の違いは何でしょう。いろいろな説明があると思いますが、はっきりしているのは、真理はすべての人の心に響くということです。すべての人の心を照らし、すべての人の心に届くからこそ真理なのだと思います。それを拒む人でも、心のどこかでは自分が間違っていることを認めざるをえない。真理とはそのようなものだと思います。
 わたしたちの発する言葉が相手の心に響く言葉、真理の言葉であるために、何が必要でしょうか。それは、相手を思う愛だと思います。どんなに正しい言葉だったとしても、それが相手のことをまったく考えず、ただ自分を正当化するためだけに発せられた言葉であるなら、そんな言葉が相手の心に響くことはありえません。人間には、言葉を聞いたとき、その言葉が発せられた動機を見抜く力があります。自分のことしか考えていない人の言葉は、たとえ論理的に正しかったとしても、動機が間違っているので受け入れることができないのです。相手の心に響くのは、ただ相手を思う愛から発せられた言葉だけだと思います。「この人は、わたしのことを真剣に考えていてくれる」、そう思うからこそ、聞いた人はその言葉を素直に受け入れることができるのです。
 自分のことしか考えず、人を傷つけるような正しさは、どんなに正しかったとしても誰の心にも響きません。正しいのだから何を言ってもいい、自分は正しく相手は間違っているという態度は、たとえ正しかったとしても真理に背くものなのです。ただ正しいだけ言葉ではなく、愛から生まれた真理の言葉を話すように心がけたいと思います。
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