祈りの小箱(156)『心のお弁当』


『心のお弁当』
 最近、幼稚園の子どもたちのあいだで「キャラ弁」と呼ばれるかわいらしいお弁当が流行っています。卵やウィンナーなどを使って、人気アニメ『妖怪ウォッチ』などのキャラクターを描いたお弁当です。あまりにもよくできているので、食べてしまうのがもったいないくらいですが、子どもたちは大喜びであっという間に食べてしまいます。お弁当は食べてしまえばなくなりますが、「お母さんがわたしのためにすごいお弁当を作ってくれた」という喜びは、子どもたちの心に残り続けるに違いありません。お弁当の思い出は、お母さんに大切に育ててもらったという記憶、お母さんの愛の記憶として、子どもたちの心にしっかりと刻み込まれるのです。
 お弁当だけではありません。家庭での料理や掃除、洗濯なども、形は残りませんが、そこに込められた愛はいつまでも残り続けることでしょう。お母さんが毎日ご飯を作ってくれた、家をきれいに掃除してくれた、服を清潔に洗ってくれた、そのような記憶は、子どもたちの心にしっかりと刻み込まれ、いつまでも残り続けるに違いないのです。そのような記憶は、形だけが残って愛が残らないプレゼントよりも、何倍もすばらしい子どもたちへのプレゼントだと言っていいでしょう。
 誰かからしっかりと愛された記憶は、わたしたちの人生を支える心の糧です。本当につらいときや苦しいときには必ず蘇ってきて、わたしたちを優しいぬくもりで包み込んでくれるのです。愛された記憶は、いざというときに蓋を開けて食べる「心のお弁当」と言ってもいいかもしれません。お弁当やお料理を作ったり、掃除や洗濯をしているとき、わたしはいま、子どもたちに持たせる「心のお弁当」を詰めているのだと思ってはどうでしょう。
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