祈りの小箱(158)『捨てるための基準』


『捨てるための基準』
 部屋を片付けようとするとき、何を捨て、何を取っておくかに迷うことがあります。部屋の中にあるものは、どれも一度は必要と思って買ったものや、人からもらったものだからです。そんなときわたしは、いま自分が司祭として福音宣教の使命を果たすために本当に必要なものは何かと考えるようにします。そうすると、自ずから必要なものとそうでないものの区別がつき、必要でないものを捨てたり、まだ十分使えるものは人に上げたりすることができるのです。捨てられなくなるのは、自分が何のためにこの部屋を与えられたのかという目的を見失いかけているときなのかもしれません。何を捨て、何を取っておくか。その唯一の基準は、それが自分にとって本当に必要かどうかということなのです。
 これは、部屋の片づけだけではありません。さらに大きく言えば、生活そのものにも当てはまることだと思います。毎日、やりたいこと、やるべきことがたくさんあって、休む暇ももない。生活の秩序が乱れている。そんなときには、生活そのものを見直し、不要なものを片付けるべきでしょう。そのときの基準も、自分にとって本当に必要なものは何かということです。自分に与えられた使命を果たすため、自分が幸せに生きていくために、本当に必要なものは何なのか。それを見極め、不要なものは迷わずに手放していくのです。自分がすべきこと、自分の幸せが分かっていない人は、迷うに違いありません。あれもしたい、これもしたいと、いろいろあるやりたいことの中で、本当にしたいことを見極めることができないのです。
 部屋にしても、人生そのものにしても、きれいに整理したいなら、まず自分にとって本当に必要なものは何かを見極めることです。そうすれば、とっておくべきものと捨てるべきもの、すべきこととする必要がないことの区別がはっきりつくでしょう。そこから始めたいと思います。
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