祈りの小箱(184)『こんな小さなことでも』


『こんな小さなことでも』
 聖書の中に、5つのパンと2匹の魚をイエスに差し出した少年の話しが出てきます。少年が差し出したわずかなパンと魚をイエスが受け取り、感謝の祈りを捧げてみんなに分けた。すると5000人もの人を満腹させることができたというのです。子どもが大活躍するので、この話は幼稚園の子どもたちにも大人気です。
 この少年がすばらしいのは、自分が持っている5つのパンと2匹の魚を、勇気を持ってイエスに差し出したところだと思います。「こんなわずかのパンと魚、5000人のためには何の役にも立たないし、恥ずかしいから黙っていよう」「自分だけで食べてしまおう」と考えてもおかしくないところですが、この少年は、お腹を空かせている人たちのために、自分が持っているものをすべてさし出さずにはいられませんでした。「お腹を空かせている人たちを放っておくことはできない」「この人たちのために、自分ができることは何でもしてあげたい」という思いに駆られ、イエスの前に進み出たのです。
 イエスはこの少年の心をしっかりと受け止め、パンと魚の恵みを神に感謝して人々に配りました。すると、わずかなパンと魚が、5000人もの人々の空腹を満たしたのです。どんなに小さなことでも、愛をこめて全力でするなら、神様はそれをしっかりと受け止めて下さる。そして、わたしたちには想像もつかないような奇跡を起こして下さる。パンの増やしの物語は、わたしたちにそのことを教えてくれます。「こんな小さなこと、やっても意味がない」と考えそうになったら、すぐに打ち消して「こんな小さなことでも、わたしにできることがある」と考え直すことを習慣にしたいと思います。
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