『自分自身を愛するように』
「隣人を、自分のように愛しなさい」と、イエスは言います。ただ「隣人を愛しなさい」ではなく、「自分のように」と加えているところが大きなポイントだと思います。わたしたち人間は、結局のところ、自分自身を愛するようにしか隣人を愛することができないからです。隣人を愛したいなら、まず自分自身を愛することを学ばなければならないのです。
自分の欠点と思われること、例えば太っているということを受け入れられない人が、他の人が太っていることを受け入れられるでしょうか。どんなにありのままに相手を受け入れようとしても、どうしても「この人は、太り過ぎだな」というような軽蔑の念が混じってしまうに違いありません。自分自身に対する軽蔑が、相手にも同じように向けられてしまうのです。自分の欠点を受け入れられない人は、相手の欠点を受け入れることもできないのです。逆に言えば、自分の欠点を受け入れられる人だけが、相手の欠点を受け入れることができるのです。
自分の中にすばらしさを見つけられない人が、相手の中にすばらしさを見つけることができるでしょうか。自分の中にどんなにすばらしいものがあっても、自分を厳しく裁き、「こんな程度ではだめだ」と思ってしまう人は、他の人にも同じような態度を取ってしまうに違いありません。自分のすばらしさを素直に認められない人、自分のすばらしさを見つけることができない人は、人のすばらしさを見つけることができないのです。逆に言えば、自分のすばらしさを見つけられる人だけが、人のすばらしさも見つけることができるのです。隣人を愛するために、まず自分自身を愛することを学びたいと思います。
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